Domino アプリケーションはデータベースに依存しています。アプリケーションはローカルに実装できますが、多数のユーザー向けに導入する場合は Domino サーバー上に実装することもできます。これらのデータベースは世界のどこでも複製できます。GSX は、各レベルでテストを実施します。ここでは、データベースのパフォーマンスと利用状況の監視を中心に説明します。ここをクリックすると、データベースのレプリケーションチェックに関する詳しい説明をご覧いただけます。
データベースのパフォーマンスと利用状況について十分に理解できるように、GSX では次の情報を提示します。

  • データベースのパフォーマンステストおよびリアルタイムの可用性
  • ご使用の環境内の変更によるパフォーマンスへの影響チェック
  • インデックス機能の可用性および使用
  • データベースのサイズのスポットチェックレポート
  • データベースの利用状況のスポットチェックレポート
  • ディスク領域のレポートおよびアラート
  • ログのスキャン

1. データベースのパフォーマンステストおよびリアルタイムの可用性

Domino アプリケーションは、ビューのインデックスが破損しやすく、特定のデータベースの一定のビューへのアクセス時間を監視しています。Domino データベースのパフォーマンスを参考に、アクセスをシミュレートして結果をグラフ表示するサーバー、データベース、ビューを選択します。各アプリケーションのピーク時間を見極め、必要に応じてこのアプリケーションをクラスタ内に分割します。

一般的なアクセス時間だけでなく、ビジネスクリティカルなアプリケーションへのアクセス時間も確認できます。ビジネスクリティカルなアプリケーションとビューを定義したら、その基準値を設定します。GSX Monitor がビジネスクリティカルなアプリケーションのビューへのアクセス時間をチェックし、その基準値を超えた場合は、問題が生じた可能性のあることを通知するアラートを送信します。そのため、ユーザーがサービス窓口に連絡する前に、何が起こっているのかを調べることができます。

2. ご使用の環境内の変更によるパフォーマンスへの影響チェック

もう 1 つの便利なオプションは、Domino アプリケーションに重大な変更を加える前にデータベースのパフォーマンスを監視することです。変更を行ったら、環境内のパフォーマンス良し悪しに関わりなく何らかの影響があったかどうかをチェックします。

このチェックにより、変更によってパフォーマンスに肯定的または否定的な影響があったかどうかを確認できます。悪影響が生じた場合には、変更をロールバックすることを検討します。ただし、ベースラインの測定と変更後のレポートがなければ、悪影響の有無は実証できません。

また、開発者がアプリケーションを更新した場合、パフォーマンスに変化はないのでしょうか? パフォーマンスが改善あるいは悪化することはないのでしょうか。判断材料となる測定値はあるのでしょうか。データベースのパフォーマンスを常時チェックする GSX Monitor では、すべて期待どおりに実行されていることが保証され、常軌を外れた場合には通知されます。

3. インデックス機能のパフォーマンスおよび使用

GSX では、データベースに常時アクセスすることで、インデックスを強制的に実行させ、常に最新の状態を維持します。つまり、ユーザーがアプリケーションのどのビューにアクセスしても、常にインデックス機能を利用でき、日中いつでもインデックスが作成されていることを意味します。皆が一斉にアプリケーションを開く午前 8 時でも、常にビューは更新されています。ユーザーが朝一番にアプリケーションを開く前にすべてのジョブが実行されているため、朝の時間帯にインデックス機能の負荷がピークになることはありません。

この点をさらに詳しくチェックするために、GSX にはインデックスタスク専用のスポットチェックレポートが搭載されています。GSX では、特定の時間以降に更新されていないアプリケーションデータベースをすべてレポートします(未更新の場合は、ユーザーがアクセスしようとしたとき時間がかかることがあります)。GSX が該当するデータベースを検出すると、パフォーマンステストを実行し、ユーザーにパフォーマンスの問題が生じないようにしながらインデックス機能を使用してデータベースを更新します。

最後に、GSX では、ユーザーにパフォーマンスの問題が生じる前に問題対策ができるように、特定のサイズを超えた Domino アプリケーションデータベースのスポットチェックレポートを作成します。

4. データベースのサイズのスポットチェックレポート

アプリケーションが使用しているデータベースのサイズはどのくらいでしょうか? 次第に大きくなっていませんか? 特定のサイズを超過していませんか?

この場合も GSX では、アプリケーションの環境を明確に把握するための自動レポートを作成します。GSX Monitor で利用可能なレポートを次から 1 つ選択します。

  • 指定のサイズを超えたデータベース
  • クォータ(いくつか設定している場合)の指定の割合(%)を超えたデータベース

サーバーを選ぶと、データベースのリストと GSX によって、そのデータベースの 1 つにサイズの問題が生じたときにアラートが送信されます。サイズが超過した場合は、ディスク領域もチェックして、容量の重大な問題が生じていないことを確認する必要があります。

5. データベースの利用状況のスポットチェックレポート

他のレポートはアプリケーションデータベースの利用状況を知らせるものであるため、その措置を講じることがきわめて重要な場合があります。

  • ユーザーを選択し、どのデータベースにアクセスしているかをチェックします。VIP のリストを作成し、たとえばどのアプリケーションが最も頻繁に使用されているかなどをチェックします。
  • データベースを選択し、誰がどのようにアプリケーションを使用しているかを確認するために、その利用状況(利用頻度、ユーザーアクティビティの読み取りおよび書き込み)をチェックします。Domino 環境がどのように使用されるかを継続的に完全に制御します。
  • 「ゴースト」アプリケーションデータベースのレポートを作成します。「ゴースト」アプリケーションとは、ディスクでは利用できるがディレクトリでは利用できないデータベース、またはその逆のデータベースです。結果を確認して、環境をすぐに最適化します。

こうした機能を使ってストレージを管理する以外にも、環境がいつ、誰に、どのように使用されているかを明確に知ることや、頻度が高いアプリケーションに注力すること、インフラストラクチャを最適化して関連コストを軽減することができます。

6. ディスク領域の管理

GSX には、Domino のディスクの空き容量が一定量を下回るとアラートを送信する機能があります。アラートには警告と緊急の 2 つの基準値があり、Domino のどのディスクにも設定できます。すべてのディスクを選択することも、監視対象のディスクを選別することもできます。さらに GSX では、領域の統計情報を継続的に記録し、一目で分かるようにグラフ表示します。また、レポーティングツールでこれらの統計情報のトレンドを調べディスク領域を予測してキャパシティプランニングの判断材料にすることもできます。

7. ログのスキャン

Domino サーバーに何らかの問題が生じた場合は、GSX が Domino ログをスキャンして入力された文字列を検索します。ワイルドカード文字を使って検索することもできます。GSX が生成するレポートに、検索した文字列が記載されている場所が示されます。アプリケーションにたとえば、データベースの破損などの問題があり、トラブルシューティングをする場合、GSX が、データベースの破損がログファイルのどこに記載されているかを示します。従って、ワンクリックで簡単にログのトラブルシューティングを操作できます。

まとめ

GSX は、パフォーマンステスト、インデックス機能の更新、データベースの利用状況およびサイズの監視、ログのトラブルシューティングなど、データベースを完全監視するレポートおよびツールを備えます。GSX では、こうしたツールがすべて単一のインターフェイスで集中管理され、展開や維持用のコードをサーバーにインストールする必要がありません。