お客様の概要

Standard Life 社は世界中で約 700 万人の顧客を抱え、生命保険、年金、投資、銀行、ヘルスケアなどの生活の中で顧客の財務ニーズを満たすための幅広い金融商品とサービスを提供しています。 これらのサービスをサポートするために、Standard Life 社のIT組織は、苦情処理からワークフローまでさまざまなアプリケーションを管理しています。 これらのアプリケーションを適切にサポートするには、タイムリーな機能拡張とバグ修正を提供する必要があります。

他の保険会社と同様、Standard Life 社は規制当局によって管理されています。 英国では、これらの規制は金融庁(FSA)によって施行されています。FSA は、顧客の苦情がタイムリーに対応されたかどうかを監視します。 Standard Life 社が適時に顧客に対応できないなど、苦情処理アプリケーションがダウンした場合、FSA は罰金を科す可能性があり、悪質な宣伝は Standard Life 社の顧客との信頼性を失う可能性があります。

アプリケーションのデプロイメントが時間がかかり複雑であったため、マニュアルでのプロセスを実行すると人為的なエラーが発生し、アプリケーションが機能しなくなる可能性がありました。Standard Life は、アプリケーションの導入とエラーの可能性を減らすこと、そして必要な時間を短縮するため、自動化されたソリューションを模索しました。

ビジネス課題

Standard Life 社の Notes の開発環境は他の多くの Notes ユーザーと同様に、開発チームは新しく作成または更新したデータベースのテンプレートを作成し、その内容や設定情報を運用管理チームに報告していました。その後、運用管理チームは、データベースの設計反映を本番環境にリリースするための必要な手順を実行していました。このプロセスは、本番環境を保護し、管理可能にできるようにすることをを目的としていましたが、問題がありました。

  • リリース作業は全体で 3 日ほどかかっていました。
  • コミュニケーションの問題やプロセスがマニュアルであったために、リリース時に間違いがしばしば発生していました。
  • 開発チームはリリースの際にいくつかの拡張機能を組み込もうとしていたのですが、簡単で単純な機能拡張のリリースの場合でさえ、リリースが遅れることがありました。
  • 開発チームはデータベースの更新の都度、まったく同じやりとりを運用管理チームを繰り返さなければならず、貴重な時間を無駄にしました。
  • 開発チームと運用管理チームは、残業をして本番環境への設計更新をしなければならず、加えて翌朝の早い時間に最終確認作業をしなければなりませんでした。
  • 運用管理チームはデータベース更新作業タスクにばかり仕事の時間を取られるのが嫌でしたし、開発チームはそういう彼らがあまり注意を払わずデータベース設計の更新をしていることが嫌でした。

IT 部門は何度もこの問題に対する解決策を検討していましたが、それに対応する時間とコストが折り合わず自作でのリリース自動化システムの開発は見通しが立たず頓挫していました。

Teamstudio のソリューション

Teamstudio は、Standard Life 社との面談の後、運用環境と要件を明確にしたうえで、Standard Life 社のオフィスで Build Manager のインストールと設定を行いました。金融機関として Standard Life は、特にリリース・プロセスのセキュリティに関心があります。開発チームがアプリケーションを本番環境にデータベース設計更新できるように構成でき、運用管理チームはリリース中に実行するステップをコントロールできので Build Manager の機能に満足でした。アカウンタビリティの確保には Build Manager が出力するリリースのアクティビティの詳細ログを保管しています。Teamstudio Build Manager を使用した結果、Standard Life 社の開発チームと運用担当チームは、アプリケーションリリースの人員を少なくしましたが、リリース自体は前よりも頻繁に行われるようになりました。新規データベースの設定には、依然として運用管理チームの関与が必要ですが、アプリケーションが完成に近づくと、テストテンプレートにを元に予め本番環境にデータベースをセットアップし、後で Build Manager で完成版をリリースしています。本番環境のバージョンが最終的に公開になったとき、Build Manager で最新の更新をコントロールしながら行えます。開発者はリリースが簡素化されたので、開発自体にに集中することができるようになりました。

Teamstudio Build Manager で Standard Life 社はデータベースの設計更新をコントロールでき、好きな時間に時期にリリースできるようになりました。開発/テスト/本番環境というリリースのサイクルを短縮し、開発者が機能拡張をより頻繁にユーザーへ提供できるようになりました。現在では、本番環境へのリリースを実行するのにたった一人の人員で行えるので、貴重なリソースを他の仕事に向けることができるようになっています。また、アプリケーションのリリースプロセスが確立されると、リリース時の問題はなくなったため、サポートの時間にリリースが問題だというリスクも軽減されました。アプリケーションのリリースに必要な手順が文書化され、アプリケーションを担当する開発者がリリースを実行できるようになります。Teamstudio Build Managerは、すべてのリリースに対して詳細なログを記録し Standard Life 社の必要とするリリース作業の全容から詳細に至るまでのすべてを把握できるようになりました。

導入効果

自動リリースシステムを自作で作成、構築するのは非常にコストがかかります。Teamstudio BUild Manager の導入は、費用対効果の面でも非常に評価できるソリューションでした。 Teamstudio Build Manager を導入してから 6 ヵ月後に、533 のリリースが行われましたが、このうち 324 個が Build Manager を使用して本番環境にリリースしています。「現在、すべての開発者が Build Manager を使用しているわけではありませんが、いづれその例外はなくなるでしょう」とCochrane氏は述べています。 

「当社の場合の費用対効果は、開発者と運用管理者の必要工数に基づいていますが、1 年に約 500 件のリリースを行うと仮定して見積もると、効果は 3 年間で 2 万ポンドの節約が見込めます。 その後に分かってきたことは、実際の時間を見積もってみると、3 年間でおよそ 5 倍の 10 万ポンドのコスト削減が見込まれています。」
— Standard Life