Domino サーバーは、アプリケーションにとっても電子メールにとっても同様に重要です。Domino アプリケーションの監視の説明に数ページを割きましたが、次に IBM スイートの主な用途の 1 つであるメール配信について詳しく説明します。GSX Monitor は、電子メール環境の健全性を確認する監視機能とレポート機能のほか、問題のトラブルシューティング機能や、インフラストラクチャの利用状況を制御する機能を備えています。監視機能とレポート機能の連携により、電子メールインフラストラクチャを最適化して運用コストを削減し、IBMのROIを最大化することができます。

  • 電子メール環境の利用状況は、ユーザーレベル、ユーザーのカスタムグループレベル(Domino ディレクトリのフィールドのフィルタで選別)、サーバーレベルで管理します。
  • メール配信のパフォーマンスからメールボックスやクォータの管理まで、電子メールインフラストラクチャのライフサイクル全体を管理します。
  • Domino、Traveler、BlackBerry の電子メールの利用状況やパフォーマンスを同一製品で同時に管理できます。
  • メールボックスの利用状況レポート、非アクティブなユーザーレポート、孤立したメールボックスレポート、サーバー負荷と容量の比較を参考に、インフラストラクチャやコストを最適化します。
  • 数秒間で複数の場所にまたがるニーズのトレンドを調べて予測し、比較します。
  • IT 部門や非技術部門へのメール配信のパフォーマンスや利用状況に関するセルフサービスレポートにアクセスします。

1. メールに関する統計情報の収集

IT 部門、管理者、サービスレベルのマネージャのほか、事業分野からも必要な測定値にアクセスできます。GSX 製品スイートにより、組織の電子メールの利用状況をユーザーレベルまたはカスタムグループレベル(NAB フィールドで選定)で管理し、次の内容のレポートを作成できます。

  • 送信したメッセージの数とサイズ
  • 受信したメッセージの数とサイズ
  • ユーザーの非アクティブ性
  • サーバーの可用性
  • メールフロー

2. パフォーマンスおよびメール配信

GSX Monitor では、エンドーツーエンドのテストを実施して、組織内のメールルーティングの健全性をチェックします。ユーザーがインターネット経由でのメールを送受信する際の所要時間を検証する目的で、メールボックスから組織内の別のメールボックスへのルートや BlackBerry へのルートをチェックするほか、エコーメールボックスへのルートもチェックします。パフォーマンスの問題が生じた場合は、GSX がアラートを送信し、次の内容をレポートします。

  • 電子メールの平均配信時間
  • 電子メールルーティングのパフォーマンスのテスト

レポーティングモジュールでは、これらの統計情報を参考に、潜在的な問題のトレンドを調べて予測を立てることができます。

さらに、Domino アプリケーションサーバーについては、GSXが Domino メールサーバーで、ユーザーと同じ方法でセッションの開始を試行し、そのアクセス時間と可用性をレポートします。レポーティングモジュールでは、Domino サーバーやクラスタのパフォーマンスを簡単に比較し、インフラストラクチャを最適化して、容量を増やし、ユーザーに影響が及ぶ前に問題を修復することができます。

3. 送信保留および無効メールの管理

送信保留メールや無効メールが多すぎると、サービス配信のパフォーマンス全般に多大な影響が及ぶことがあります。

GSX Monitor では、この情報の次の項目をリアルタイムで表示します。

  • メールボックス当たりの保留メール数
  • メールボックス当たりの無効メール数
  • 保留および無効メールのサイズ
  • 領域中に保留および無効メールが占める割合(%)
  • そしてもちろん、上記のメールの原因となるエラー

IT 管理者には問題のアラートが即座に送信されるため、ユーザーが気づく前に是正措置を講じることができます。

 

4. 電子メールサーバーの利用状況の追跡

Domino サーバーを使用しているユーザー数は、メール配信のパフォーマンスに影響を及ぼす可能性のあるインジケータです。GSX ではこの主要なインジケータを制御するために、GSX Monitor でユーザー数をリアルタイムにチェックして、GSX Analyzer 内で毎時間、毎週、あるいは毎月のトレンドを判断できます。

5. メールボックスのサイズ、クォータ、リソース管理の追跡

GSX スイートでは、手動または自動のスポットチェックレポート(サイズ、空き容量の割合(%)、クォータ制限など)を作成し、メールボックスのクォータの次の項目のアラートを送信します。

  • 特定のサイズを超えたメールボックスの自動アラートおよびレポート
  • クォータの特定の割合を超えたメールボックスの自動アラートおよびレポート
  • クォータの特定のサイズを超えたメールボックスの自動アラートおよびレポート
  • 割り当てられたクォータを超えたメールボックスの自動アラートおよびレポート
  • メールボックスのクォータのサイズ別自動レポート

これらのレポートはすべて CSV 形式で生成できます。また、管理クォータを自動化して、事前に警告することができるため、ユーザーの問題を未然に防止できます。これらのレポートは、どのメールボックスでも、また他の Domino データベースでも利用できます。

6. ユーザーアクティビティおよびメールボックスの利用状況に関するレポート

メールボックスがどのように使用されているかを特定します。メールボックスが単なるアーカイブになっていませんか? アクティビティのないアイドル状態のメールボックスはありませんか?

GSX スイートでは、次のレポートやアラートを生成します。

  • メールボックスでのユーザーのすべてのアクティビティ(ログイン、電子メールの送受信、利用状況、読み取りおよび書き込みなど)をチェックするレポート
  • ディレクトリおよびメールルールで電子メールの転送が定義されているメールボックスのレポートおよびアラート

7. 孤立したメールボックスの検出

パフォーマンスは容量やストレージに関連していることが多いため、パフォーマンスを最適化するために GSX スイートでは孤立したメールボックスを検出します。

GSX Usage Metrics では、非アクティブな(一定期間電子メールの送受信がない)ユーザーに関するレポートが自動生成されます。このレポートをユーザーのカスタムグループ別に詳しく検証することも可能です。GSX Monitor では、メールボックスの利用状況に関するレポートが自動生成されます。

したがって、サーバーの領域を占領する孤立したメールボックスをすばやく特定し、インフラストラクチャのサイズやストレージを追跡できるため、メール配信全体のコストやパフォーマンスが最適化されます。

まとめ

通常 GSX は、メール配信の可用性、パフォーマンス、利用状況の監視に必要なすべてを備え、Domino サーバーにエージェントをインストールする必要がありません。すべてリモートで実行されます。構成後に実行しておけば、レポートが生成され、予期しない事象が生じたときにアラートが送信されます。ユーザーに何らかの影響が及ぶ前にアラートを受信し、GSX Monitor & Analyzer が提示するデータを参照して環境を容易にトラブルシューティングすることができます。