ビジネス課題

この多国籍大企業では、毎週 10 個のデータベースに 1,500 以上の複製時競合エラーを発生させる要因となっている 600 人以上のリモートユーザーがいました。複製または保存の競合は、異なる場所のそれぞれのユーザーが同一文書を同時に編集したときに発生します。さらに状況を複雑にする要因として関連する返答文書の親文書までが削除されたときに、どこにも表示されず、そのままデータベースの中に残り続けたことです。IT 部門は、毎週 20 時間以上を費やして、この複製の競合文書とどこにも表示されない返答文書への対応を手作業で行っていました。

実際のところ、ほとんどの競合は解決できませんでした。なぜなら、修正に関する情報が十分ではなくどう修正すべきかさえも分からなかったからです。修正したものが正しいバージョンの文書であることが確認できなかったため、監査人からも大きな問題として指摘されていました。クライアントは SOX（Sarbanes-Oxley）を遵守する必要があったため、最新の文書更新を維持しておくことは非常に重要な要件でもありました。これからの監査を見越してこの問題に対処することは監査への合格のためには絶対条件でもありました。

クライアントは Validator をインストールと最善の製品の使用方法に関するトレーニングを依頼し、この課題への対応に備えました。 Validator を使用して、アプリケーションのユーザーから競合の報告があがる前に、すべての複製競合と表示されない返答文書を特定しプロセスを自動化することができました。文書の変更はフィールド単位で確認できるので、変更内容をどのように最新にすべきかをより正確に判断することができます。最後に保持したい文書のバージョンを選択し、もう一方の文書から個々の項目の内容をマージすることができます。

このプロセスでは、複製競合や表示されない返答文書が作成されるのを防ぐことはできませんが、クライアントはこれらの競合の原因をさらに詳しく理解し、ユーザーとのこの問題に対処していくことができました。時間の経過とともに、発生した複製の競合の数自体を減らすのに役に立ったのです。

導入効果

Notes の運用担当者、Validator を使って文書の複製エラーと表示されなくなった返答文書を特定し、問題を解決していくことになれてくると、文書の復旧に要する時間を大幅に短縮できるようになりました。文書に関する関連情報を参照できたので最新の文書バージョンにそれぞれの必要な要素を文書内に保存することができました。これらの問題に対処するために費やされた時間は、毎週 20 時間から1 時間に短縮されました。クライアントは、この1つのタスクの年間節約額がおよそ 50,000 ポンドと推定しています。

また、Validator の使用はクライアントが SOX のコンプライアンスの問題に対処することにも役に立ちました。正しい文書バージョンと関連する要素がデータベースに保存されることを保証するプロセスを明文化することで、定期的に実施される監査をパスすることができます。

Validator を実装したことで高く評価された結果は、顧客満足度の向上でした。これは当初予想もしていませんでした。問題があることをユーザーが認識する前に複製の競合が修正されていたので、ユーザーは安心してシステムを使用することができたからです。