お客様の概要

米国中西部に位置する最大の電力会社の1つであるこの電力会社は、2,200 人以上の従業員と 675,000 世帯を超える顧客を抱えています。

ビジネス課題

このクライアントは、過去数年間 Notes を使用して何百というアプリケーションを開発してきました。IBM Notes をアップグレードする必要性と同時に Windows から AIX サーバーに移行するという 2 つの大きな課題に直面していました。

ひとつ前のアップグレードでひどい経験をしていたので、より良いアップグレード方法模索していました。以前のアップグレードは費用がかかっただけでなく完了するまでに時間がかかってしまい、品質の低くかったアプリケーションが Notes 開発者に不安にさせていました。

サーバーアーキテクチャの変更を難しくしている要因として、ノーツアプリケーションの多くは、無秩序なプログラミング技方で開発されました。たとえば、ハードコーディングされたサーバー名、一貫性のない命名規則、および大文字と小文字の区別の使用は、これまでのコーディング手法で多く見られたものです。また、稼働開始までにプラットフォーム固有の API の呼び出しと設計上のテストが必要な多くのアプリケーションが存在していました。たとえば、Windowsプラットフォームでは大文字と小文字が区別しません。「¥」と「/」の区切り文字は、Windows と AIX では異なります。Windows 上で問題なく動作していたアプリケーションが、新しいプラットフォームでは機能しません。数年にわたりこれらのアプリケーションを開発していたため、こういったコーディングが行われた箇所のドキュメンテーションは希でした。

リソースもまた厳しい状態にありました。Notes 環境で開発者と管理者の効率性を高める方法を見つけることは、グループにとって非常に重要になっていました。加えて SOX法のコンプライアンスをノーツ・アプリケーション全体で適用しなければならないプレッシャーも高まって来ました。コンプライアンスに対応する第一歩は、プラットフォームに依存しないようにするか、または少なくとも新しいプラットフォームに対応できるアプリケーションを作成することでした。

膨大なリソースと増加する要件を考慮して、Notes アップグレードの準備とプラットフォーム依存のためのアプリケーション分析を自動化する方法の導入が必須となり、また IT ガバナンスのフレームワークを実装する必要がありました。このフレームワークは、以前の開発実践に伴うリスクを最小限に抑えるための最善のコーディング規約に関するポリシーを作成するのに役立ちました。こういった問題を解決するのに、彼らは Teamstudio に注目しました。

Teamstudio のソリューション

Teamstudio はクライアントと打ち合わせをし、必要な要件と課題を確認しました。 最初のゴールは、アップグレードをより円滑に進めるために何ができるかを判断することでした。 第 2 のゴールは、プラットフォームに依存するアプリケーションを識別する自動化された方法を見つけることでした。

製品を購入し、製品トレーニングを受けツールを使った分析を行う方法などいくつかのオプションを提示しましたが、最終的に最も有効だと判断した選択肢は、Teamstudio が代わってこの作業を行うことでした。以前はアップグレードの経験が不十分だったため、次回は Teamstudioをアップグレード・プロジェクトに参加させるべきだと感じていました。Teamstudio の資産分析サービスに関わり、プラットフォーム依存プロジェクトを支援する体制を取りました。資産分析には、標準命名規則とハードコードされたサーバー名の検索が含まれていましたが、アプリケーションが AIX に配備されると、問題を引き起こす可能性のある箇所を識別する
独自の検索機能も提供されました。

導入効果

IBM Notes 資産分析サービス

Teamstudio の資産分析サービスを利用することで 500 以上の Notes アプリケーションを特定し適切な改修を行うことができました。こうしてプラットフォームに依存せず、新しいオペレーティングシステムに移行できる準備が整ったわけです。Teamstudio に連絡する前は手作業で 22,000 ドル以上の費用と完了に3ヶ月半かかると推測していました。費用や工数だけでなく多くのエラーと再作業を招く可能性があるとも心配していました。実際に Teamstudio に依頼すると、1 週間でこの作業を完了でき、大幅な節約を達成しました。

IBM Notes バージョンのアップグレード

以前のアップグレードの経験は、完了に約 3 ヶ月を要しました。途中で多くの作業をやり直す必要がありました。Teamstudio の Upgrade Filters をアップグレード戦略の一環として使用して、1 週間以内にプロジェクトを完了することができました。意外にも、
改修したアプリケーションは高品質で、ユーザーから感謝を受けました。このプロジェクトで達成したコスト削減以上に、他のプロジェクトの受け入れを拒む予定だった機会損失まで補ってくれたと認識しています。

最新のリリースの Notes に基づいてプラットフォームに依存しないアプリケーションを作成しておいたことは、SOX 準拠を可能にするために必要不可欠だったことが判明しました。アプリケーションの明確な定義や、その文書化は直面する SOX コンプライアンスの課題に対処するために必要でもあったからです。

2 週間以内にこのふたつのプロジェクトを完了することができました。過去の 3 か月かかったアップグレードの経験と比較し、3 か月間のプラットフォーム依存の改修プロジェクトの見積もりと比較すると、合計コスト削減額は 8,000 ドルを下回ることはないでしょう。